便潜血陽性と指摘された方へ

便潜血検査は便に血液が混じっているかどうかを調べる検査です。荒川区が実施している大腸がん検診や会社で受ける健康診断等でも便潜血検査は実施されておりますが、便潜血検査の意義を皆様にご理解頂けていないように感じます。

通常、便に血が混じることはありません。便潜血検査を受診して陽性と診断された場合は自覚症状がなくても消化管（特に大腸）に異常が生じている可能性が高いです。便潜血検査で陽性と指摘されたら、大腸の精密検査（大腸カメラ検査）を受けて頂きたく思いますが、2次検査を受けて頂ける方が少ないのが現状です。

肛門から血が出ていたり、血液のついた真っ赤な便が出ていると誰しもが心配になると思いますが、便潜血検査では目に見えないような極微量の血液の混入も検出することが可能となりますので、早期の病変部位の発見にも繋がります。便潜血検査で陽性と指摘された方は、お早めにお近くの消化器内科を標榜しているクリニックで大腸カメラ検査を受けて頂きたく思います。

自分自身は勿論のことですが、ご家族やご友人で便潜血検査で陽性と指摘された方がいらっしゃいましたら、医療機関を受診することお勧めしてください。

便潜血検査でよく行われるのが「便潜血2日法」です。便潜血検査を行う際に検便キットが2つあり、任意の2日程でそれぞれのキットで便を採取し、便中に含まれる血液の有無を確認していきます。

人によっては「片方が陽性、もう片方が陰性」である方もいらっしゃるかと思いますが、片方だけ陽性と指摘された場合でも、一度は大腸の精密検査を受けるようにして下さい。

大腸がんは近年、死亡率が増加傾向にありますが、早期発見・早期治療が行えたら決して怖い病気ではありません。大腸がんをはじめとした各種消化器癌は40歳を過ぎた頃から罹患率が増加していくと言われております。40歳を過ぎて、そして便潜血検査で片方でも陽性と指摘された方がいらっしゃいましたら、先ずはお気軽にご相談下さい。

当院では便潜血陽性と指摘された方の診察・検査を行っております。普段お仕事や家事・子育て等で忙しくて、中々お時間を取れない方でも検査を受けられるよう、土曜日も診察・大腸カメラ検査を行っております。

また、便潜血検査で陰性であったとしても、腹痛、血便、お腹の張り、便秘、下痢などの違和感を感じられる際はお気軽にご相談下さい。